MOTOCENTRISM - MotoGPと世界のバイクニュース -

MotoGPを始めとした、世界のバイクに関するニュースを配信



スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

MotoGP 電子制御:2013年からDornaがECU提供開始

Category: MotoGP  
MCR000076.jpg

MotoGPのマシンは今や電子制御技術の塊といっても良いでしょう。
ありとあらゆるデータが収集され、演算され、パフォーマンスの最適化が行われています。
よく言われる、トラクションコントロールや、ウィーリーコントロール、ローンチコントロール(スタート時の制御)なども全て電子制御によって行われています。

そしてその技術の作りこみの度合いはマシンのパフォーマンスに大きく影響するに至っています。

参照:2011年11月26日記事:MotoGP エドワーズが語るCRTマシンの課題:電子制御技術


さて今回、Dorna(MotoGP運営会社)はマニエッティ・マレリ社のECUを全てのチームに提供すると発表しました。
「全車に提供する」だけであって、全車が使用しなければならないわけではありませんが
これまで議論に上がっていた「統一ECU」に向けての一歩とも捉えることができます。

今回これが決まった背景にはどういった動きがあったのでしょうか?
そして今後はどうなっていくのでしょうか?

では詳細は以下から。

1. ECU提供内容

MCR000077.jpg

MotoGP.com:マニエッティ・マレリのECU、2013年から最高峰クラスの全車に供給
英語版:Magneti Marelli ECU available to all MotoGP™ teams from 2013


今回発表の内容をまず確認したいと思います。

イタリアのマニエッティ・マレリ社がDornaと四年契約を結び、2013年より同社のECUがMotoGPクラスに提供されます。
これはシステムのパッケージとしてのオファーで、内容は以下のとおりです。

・データロガー機能付きにエンジン・車体コントロールユニット
・データ分析・チューニングのツール
・車体装置(トグルスイッチ、慣性プラットフォーム)
・マニエッティ・マレリ社の技術サポート

マニエッティ・マレリ社は「主要な目的は、手頃な価格で最高の技術を提供すること。これがレース及び生産分野におけるマニエッティ・マレリの使命です。」
「過去10年間、MotoGPクラスのチームに対して、エレクトロニクスとエレクトロ-メカニックの分野における解決策を開発してきました。ドルナのこの新たなイニシアチブは、我々の技術開発の強化において、さらなる戦略的な機会となります」とコメントしています。

現状ではこれは「使ってもいいよ」ということであって、「使わなくてはならない」というものでは無いようです。

2.ECU提供の狙い

なぜこういったECUの提供をDornaが音頭をとって開始したのでしょうか?

まず、マレリ社が「手頃な価格で最高の技術を提供すること」言うようにチームの負担を軽減するコストカットの意図があるでしょう。
この不況下で、どのチームも厳しい財政事情を抱えており、これに対して単一のECUを使用することで調達コストを下げようという狙いかと思います。

さらに、CRTマシンの競争力の底上げの期待もあることでしょう。
現在CRTで参戦中のエドワーズも、昨年のテストの際に電子制御技術がCRTマシンの課題だと指摘しています。
彼曰く、「電子制御系が最も取り組まなければならない分野だ。現在、自信を持って乗ることはできていない。電子制御系という分野はファクトリー(メーカー)がかなりのアドバンテージを有しており、直近までYamahaに乗っていた経験から知ることを言えば、彼らファクトリーがあのレベルに達するまでにどれほどの時間がかかったかということだ。」
「そしてそれらは自分や、ロッシや、ロレンソ、スピーズが多くのインフォメーションをフィードバックして成されてきた。そういう意味では今の我々は数年の遅れがある。」とのことです。

参照:2011年11月26日記事:MotoGP エドワーズが語るCRTマシンの課題:電子制御技術

多くのデータがマレリ社にフィードバックされ、開発が進めばCRTマシンのECUの性能向上が期待され、それによってこのECUを使用しているマシンの競争力は底上げされると期待できます。

そして、最終的には「統一ECU」への一歩と考えていると推測されます。

3.統一ECUの可能性

統一ECUの導入の議論はすでに昨年からされてきました。
とりあえず任意使用で導入しておいて、最終的には義務化したいというのがDornaの思惑であることは明らかです。

Dornaが統一ECUにこだわる理由はざっと以下のとおりでしょう

・コストカット
・CRTマシンとの差を埋める
・検討中のレブリミットの導入を容易にする
・電子制御技術の使用を制限し、ファンからの批判に対応する

ECUを握っておけば、レギュレーション変更の影響力を行使しやすくなるということでしょう。
しかし実際の導入には道のりは遠そうです。

例えば、エドワーズは多様なタイプのマシンへの統一ECUの導入は非現実的だと指摘します。
曰く、「個人的には、単一のECUでクロスプレーンエンジン、直4エンジン、V4エンジンに対応することは不可能だと思う。」「どれかはすぐにうまく対応できるが、他はECUに合わせるためにエンジンを変更することになるかもしれない。なのでうまくいかないだろう」とのことです。

Crash.net:Colin Edwards - Q&A

またメーカーからも反発はあるようです。

Motomatters:First Step Towards MotoGP's Spec ECU: Magneti Marelli To Offer Spec Unit In 2013

上記記事の内容より抜粋して紹介します。

現在、DucatiとYamahaはマレリ社のECUを使用しています。
Ducatiは統一ECUに関して、やむを得ないというスタンスのようで、Yamahaはハードウェアは統一されても、その中身のソフトウェアは許容できないと主張しています。
実際Yamahaが使用しているECUは今回全車に提供されるものとほぼ同じもののようで、実際の所、その中身にこそチームにノウハウが蓄積されているということでしょう。

そして、Hondaは真っ向から反対しています。
Hondaは自前でECUを開発しているようで、MotoGPは自身の電子制御技術を開発し、市販車へ活かす場として使用していると主張し、もし統一ECUとなれば撤退をも匂わすコメントをしているようです。



3社三様ですが、反対派を説得するにはDornaも骨が折れそうです。
いずれの側も電子制御技術が重要性が近年更に高まっている以上、それに関して相手側に主導権を渡すことをしたくないという思惑があるのでしょう。

とりあえず現状では、今回のような任意での使用がベストのような気がします。
また状況の変化に応じて議論していけばいいのではと思います。


関連記事

テーマ : モータースポーツ    ジャンル : 車・バイク


Comments

Leave a Comment

おすすめ書籍
Sponsored Link
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。