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インセンティブで安全運転を促す取り組み

Category: 世界のバイク事情  
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バイク乗りにとって、交通事故、安全運転については真剣に考えなければならないテーマです。

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図表:警視庁:二輪車の死亡事故統計

昨年、日本の交通事故死亡者における二輪運転者は18%、およそ5人に一人を占めます。
交通量の比率からすれば、やはり多いと言わざると得ないでしょう。

バイクはそもそも趣味性の高い乗り物で、楽しさを優先してしまうと安全運転が疎かになり
事故に遭うリスクも高まってしまいます。
バイク乗りはそれぞれがこのテーマをきちんと自分の中で考えておかなければいけないと思います。

では一方で、社会的システムとして安全運転を推進し、交通事故を減らすにはどういった取り組みが理想的なのでしょうか?

7月13日記事:バイクの安全性への取り組み:最適なアプローチは?

上記記事の最後に、現在の懲罰ベースのシステムに加え、インセンティブベースのアプローチの有効性が調査で判明したことを紹介しています。
つまり、安全運転をした運転者に対して褒美を与えるというシステムです。

そして、この考え方に基づいたシステムが実際にUAE(アラブ首長国連邦)で導入され始めました。

今回はその内容について詳しく見てみることにします。

では詳細は以下から。


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参考記事:
The National:Motorists in Dubai to cash in on good driving with new reward scheme
The Natinal:Can rewarding good driving in Dubai improve road safety?

1.ホワイトポイントとブラックポイント

今回UAEで導入されたシステムの特徴はホワイトポイントとブラックポイントという考え方です。
運転者は毎月、無事故無違反ならホワイトポイントが溜まっていき
1年経つとそのポイントはギフト券と交換できるという仕組みです。

一方のブラックポイントは我々もお馴染みの、違反をすれば溜まっていくポイントですが
ホワイトポイントはそのブラックポイントを相殺することができるということです。
例えば罰金の相殺や、違反による車両の押収から取り返すことに使えるようです。

このように、優良な運転をした人にポジティブな報酬があることで
安全運転をしている人はそれを続けようとするし、そうでない人たちは自分の運転を見なおして報酬をえることの動機を得るという仕組みです。

交通心理学者のラングは「報酬システムの導入で運転マナーを持続可能な形で変えていくことができる。これは世界初の導入だと思う」とコメントしています。


2.交換制度の課題

一見よさげですが、問題点が無いというわけではありません。
都市計画を専門とするVarkki Pallathucheril教授は「ホワイトポイントとブラックポイントを交換することは良い解決策とは思わない。仮に十分なホワイトポイントを持っている場合、それで相殺できる程度の違反ならしても良いと考えてしまうことにつながるからだ」と指摘します。

もちろん全ての違反がホワイトポイントで相殺できるわけではないようです。
また、「重大違反」となる違反を行い、ブラックポイントが24ポイントたまると1年間はホワイトポイントを取得する権利を失いといった制度にもなっています。

とはいうものの、例えば駐車違反やある程度のスピードオーバーなどについては、ホワイトポイントがたまることで逆効果となる可能性は十分にあるかと思いますし、慎重な制度設計が必要でしょう。

また、インタビューを受けたNaser Al Dahmaniは「罰金を課したり、すでに安全運転をしている人たちに報酬を与えるのではなく、交通局は違反をする運転者に重点を置き、原因をつきとめ解決のために教育を行ったりして、そして彼らが改善した際に報酬を与えるべきだ」とコメントしています。

これも真っ当な批判かと思います。報酬についてただ漫然とばら撒くのではなく、ターゲットを明確にして効果を最大化するような制度設計が求められているのだと思います。




さてこの取り組み、興味深い点は多いですが、制度的にもう少し詰められるべき所もあるようです。
実際の運用を通じて最適化されていくことを期待しています。

一方で、日本についてはどうでしょうか?
現在、行政としての取り組みはあまり聞きませんが
民間等で見てみれば、ゴールドカード保持者は保険料金の優遇があったり
また、SDカードで割引になるといった取り組みもあります。

とは言え、十分なプラスのインセンティブがあるとも言えない現状かと思います。

行政で取り組みのであれば、例えば高速道路料金の割引とか
各種自動車関連税金の優遇などは大したコストもかけずに実施することができるかと思います。
また、民間でも安全運転推進というCSRの取り組みとして、各種割引はもっと推進していくこともできるかと思います。

さらに、コンセプトとして、「安全運転・エコドライブ・経済性」の3つは親和性が高いので、そういった側面からも自動車・二輪関連の業種はうまく活用できるのではとも思います。

例えば、とあるメーカーが安全運転にインセンティブを出して推進すれば、そのメーカーのユーザーは安全運転の意識が高い人たちが集まります。すると彼らは比較的丁寧に運転するので燃費もよく、経済性も高い利用をすることになります。
ということは、メーカーにとっては優良なユーザーを囲い込むことにつながります。
また、そうした丁寧な乗り方をしてくれるユーザーが多いことで、そのメーカーの製品は燃費や経済性、さらには再販価格が良いのだと、外からは見える事になり、ユーザーと一緒に良いブランドイメージを作っていくことも可能かと思います。

「安全運転はして当たり前」という考えから少し離れて、アプローチやコンセプトを練ってみると面白いものが生まれてくるのでは、と期待しています。


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テーマ : バイク    ジャンル : 車・バイク


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