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米国調査:ヘルメット装着で30億ドルの社会コスト節減効果

Category: 世界のバイク事情  
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梅雨の季節もそろそろ終わりに近づいて来ました。
蒸し暑くはなりますが、いよいよ本格的な夏のバイクシーズンが到来しようとしています。
夏休み等を利用してツーリングに出かける人も多くなるかと思います。

さて、このタイミングでバイクの安全性への取り組みについて幾つかのテーマで記事を書こうと思います。

今回は、状況認識として、アメリカでのヘルメットの着用の社会的影響に関する調査の内容を紹介したいと思います。

調査によると、ヘルメットの着用によって医療費等の社会的コストが年間で30億ドルも節減できるとのことです。

シーズン開始に向けて、それぞれのライダーが安全性について高い意識を持つことの意義について、具体的な数字を以って今一度確認できればと思います。

詳細は以下から。


0.調査概要・背景

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CDC:Helmet Use Among Motorcyclists Who Died in Crashes and Economic Cost Savings Associated With State Motorcycle Helmet Laws — United States, 2008–2010
(Via:Visordown:Motorcycle helmets save £3bn claims US

まず背景を説明すると、アメリカではヘルメットの着用の義務は州によって決められています。

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参照:2011年6月3日記事:アメリカのヘルメット事情:最も顧客満足度の高いメーカーは?

上記図のように、着用義務を課している州は半分程度の19州しかありません。部分的な着用義務を導入している州は28州で、例えば21歳以下のみの着用義務などを導入しています。そして着用義務が全くない州が3州あります。

統計データを見ると、2010年のアメリカ全土での二輪搭乗者の事故による死亡者数は4502名にのぼります。
これは全体の14%に当たり、交通量の1%以下しか占めていないバイクの死亡事故率は圧倒的に高いと言えます。

そしてヘルメットとの関係でみると、2008年から2010年までの3年間でバイクでの死者数は14283名でしたが、そのうちの42%にあたる6057名がヘルメットを着用していなかったということです。

こうした事故が起こると社会的(経済的)な負担(コスト)がかかります。
医療や緊急サービスのコスト、また死亡や失業、休業による生産性の低下によるコストが挙げられます(事故による器物の損壊や交通遅延等の損失もありますが、今回の調査では対象外です)。

これらを踏まえ、2010年に発生したバイク事故について、その当事者が「もしヘルメットをかぶっていなかったらかかってであろうコスト」を算出し、これを「ヘルメット着用によって節減できた社会的コスト」として分析しています。

1.調査結果

分析の結果、死亡の場合、重症の場合、軽傷の場合のタイプ別に分けると節減できた一人あたりのコストは以下のとおりになりました。

死亡の場合:$1,212,800(およそ9700万円)
重症の場合:$171,753(およそ1400万円)
軽傷の場合:$7,523 (およそ60万円)

つまりヘルメットを着用していたため死亡事故を回避できた場合、一人あたり9700万円のコストを回避できたということになります。

そしてこれを全米でみると、2010年の1年間で30億ドル(およそ2400億円)にのぼることがわかりました。
また、この数字は「ノーヘルの事故者がもし着用していたならば節減できたコスト」は含んでいません。
全てのライダーがヘルメットを着用していたと仮定すれば、さらに14億ドル節減できたはずで、合計すると44億ドル(3500億円)もの金額にのぼることがわかりました。

2.着用義務の有無の大きな影響

米国のヘルメット着用者の比率はおよそ66%となっており、3人に1人はノーヘルライダーということになります。

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From:NCSA Research Note: Motorcycle Helmet Use in 2011 – Overall Results

ヘルメットを着用するかどうかはやはりその州で義務であるかどうかと深く関係します。

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上記の図は死亡事故を起こしたライダーがヘルメットを着用したかどうかを州ごとに色分けしたものです。
色の濃いほうが着用してなかった割合が高いということになります。

これを見る限り、当然ながら着用義務のある州はその割合が低くなります。
ということは、社会的コストの節減を効果的に行なえていると推察されます。

結果は大きな違いが出ました。

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詳細は元データで見ていただきたいのですが、州毎の節減できたコスト額を棒グラフにしたものです。
また、色の濃い州はヘルメット着用義務のあるところです。

これを見ると、着用義務のある州と無い州で大きな違いがあることがわかります。
最も節減できたカリフォルニア州ではおよそ4億ドル(320億円)、最も低いニューメキシコ州では260万ドル(およそ2億円)とその差は160倍となります。

また、個別のケースで2000年に着用義務を緩和したフロリダ州を例にとってみてみると顕著な影響が見られました。
緩和後2年間で事故による死者数は21%も上昇しました。また負傷者対応による医療コストは2100万ドルから
5000万ドルと倍増しましたとのことです。

アメリカの二輪保有台数は820万台と言われており、2010年にヘルメットを着用していたことにより助かったライダーは1544人、また事故時に着用していれば助かったであろうライダーは709名とされています。

このレポートは結語として、「ヘルメットは命を救い、お金を節約すること(両方英語では"save")に寄与することが証明され、着用の義務化がヘルメット使用率を上げる最も効果的な手段である」と訴えています。





日本においてはヘルメット着用の完全義務化が施行されて久しく、街中でノーヘルのライダーを見ることはなかなかありません。

しかしこれはヘルメットだけの話ではなく、やはりライダーの安全性への意識の高さ、きちんとした装備でバイクに乗ることの重要性を示唆するものでもあると思います。

ライダーとして、自身の意識や行動が自分だけでなく、家族や社会にも大きな影響が及ぶことを自覚し、責任のある行動をすべきだと改めて思いました。

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テーマ : バイク    ジャンル : 車・バイク


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Comments

日本でも小さな島にいくと原付ノーヘル2人乗りが当たり前だったりしますが
半分の州で義務なしだなんてアメリカはなんというかおおらかですね
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
アメリカのヘルメットについては、装着しない自由というのも尊重されているようですね。
お国柄としか言いようがありませんね・・・。

ちなみに東南アジアとか新興国も基本ノーヘルですね
社会問題化する前になんとかして欲しいですねー

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