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日本国内二輪市場動向(2)バイクユーザーの特性、使用実態、需要構造の変化

Category: 世界のバイク事情  
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Photo from:Honda: Tokyo Motorshow 2011 Booth Report

前回の記事の続きとなりますが、4月4日、「2011年度 二輪車市場動向調査」と題し、自工会より公表となりました。
この調査は自工会が隔年で実施している、新車購入者を対象としたアンケートです。

JAMA:ニュースリリース- 2012年04月04日 2011年度二輪車市場動向調査について

2010 年 6 月~2011 年 5 月に新車を購入した二輪車ユーザーを対象とし、有効回収サンプル数5150の調査となりました。
ユーザーの動向についての現状を明らかにし、またこれまでの蓄積した調査結果より時系列での比較分析を行い、かつインターネットにて、「トピック調査として、二輪車市場が直面している長期的な需要減少に関わる、「二輪車離れ(二輪車を手放し乗らなくなった人達)」「中古の二輪車購入」などの実体を明らかにし、需要減少の要因について分析を行った。」とのことです。

前回の記事では、その冒頭部分の「二輪車をめぐる諸環境」の統計データをベースに、総需要や保有台数、マーケットシェアなどの数字をまとめました。

2012年4月11日記事:日本国内二輪市場動向(1)二輪車をめぐる諸環境:総需要 保有台数 メーカーシェアまとめ

本記事では、具体的なアンケート調査の内容を見ていき、現在の日本国内二輪市場の課題と今後の方向性を考えてみようと思います。
0.二輪ユーザーの減少傾向

前回の記事を参照することになりますが、二輪ユーザーについてはは保有台数の推移をみるのが妥当かと思われます。

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このグラフを見ると、日本国内の二輪保有台数は継続的に減少傾向にあります。
複数台所有者が顕著に減少していない限りは、当然ユーザーも減少していると言えるのではないかと思います。

また、新規の二輪免許取得者も減少傾向にあります。

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原付免許、普通・大型二輪免許いずれも傾向としての減少が見られます。
新しく免許を取得する人が減少しているので、これもまたユーザーの減少を示唆するものと思われます。

日本社会として、少子化により人口減少が囁かれていますが、例えば2000年から2012年までをみると、2000年は1億2692万人に対し、2012年は1億2805万人と大きな変化はありません。生産人口年齢でみれば8622万人から8103万人とおよそ7%減少となりますが、それよりもさらに速い加速度で減少が進んでいることがわかります。

参照:総務省統計局:総人口の推移

1.二輪ユーザーの高齢化

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まず、ユーザーの年齢構成を見てみます。
明らかに見て取れる傾向は、40代、50代の増加と、10代~30代の減少です。
平均年齢は2003年度は39.9歳だったのが、2011年度には48.5%となっており、ほぼスライドしていることがわかります。

2.ユーザーの固定化

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上記グラフはバイクを新車で購入するユーザーの内、新規(人生で初めて)買うか、増車や代替(乗り換え)で購入しているかをみたものです。
これをみると、年々新規購入者が減っています。
これだけでは一概に言えないところもあります。新規購入者が最近の新車小売価格の上昇によって、中古車購入へとと流れている可能性もあるからです。

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このグラフでみれば、中古車を新規で(人生で初めて)購入した人の中古車購入者全体に占める割合は、新車を新規で購入した人に占める割合より高いことがわかります。

しかしながら、新車価格が上がれば、代替や増車の人たちにも等しく影響を受けますので、これも一概には言えません。
差し当たり、新規二輪免許取得者数の減少と合わせ見て、やはり新規バイクユーザーは減り、バイクの需要はリピーターに8割以上を依存するまでになったと考えて差し支えないのではと思います。

3.買い替え需要はステップダウンの傾向

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この図は、これまで保持していたバイクの排気量カテゴリからの移行率を表しています。
縦の排気区分はこれまでのバイクで、横が今回買ったバイクの排気区分です。

これをみると、各排気区分での障壁度合いが分かります。
50cc以下の原付ユーザーだった人は新しく買ったバイクも50ccだったケースが90%となっています。10%しかカテゴリを変えておらず、それも原付2種への移行が大部分となります。
125cc、原付2種のユーザーも8割がまた同じ排気区分のバイクを買っており、変えたユーザーも大部分が原付1種に戻しています。
軽二輪、車検の無いバイクに乗っているた人は3割がそのまま同じカテゴリで、4人に1人の25%の人たちが大排気量へステップアップしています。
普通免許クラスで車検のいるバイク(250cc以上、400cc以下)は大半が400ccモデルになるかと思いますが、彼らは5人に1人がそのままで、ステップアップは31%でおよそ3人に1人です。
小型二輪、いわゆる大型バイクに乗る人達は1000cc以上のマシンに乗っている人たちはまた同じ1000cc以上のバイクへの乗り換え率が41%と高いことが伺えます。

しかしながら、ここで顕著に見るべきはステップダウン、いわゆる小排気量車への乗り換え率の高さでしょう。
例えば軽二輪に乗っていたユーザーは、38%が原付2種に乗り換えています。同じく、小型二輪に乗っているユーザー(特に401ccから750ccのミドルバイクユーザー)は軽二輪や原付2種にへの乗り換えが顕著に現れています。

免許制度の関係から、乗り換えの際のステップアップというのはコストがかかるため、ステップダウンの方が障害は少ないことは事実で、そういった傾向があるのはわかります。

そこで時系列で見てみます。上記グラフの右側の図表は同じ排気区分のバイクを再度かったユーザーの比率を時系列で見たものです、ここではそのカテゴリへのロイヤリティ(忠誠度)とでも言っておきます。
これを見ると、原付1種、2種はそのロイヤリティを保持または増加させていますが、軽二輪以上のカテゴリではロイヤリティの低下が見られます。とくにミドルクラスは前回32%あったものが9%にまで減少しています。

このロイヤリティの減少は、新規免許取得者の減少からも、ステップアップへの力が働いているとも考えにくいです。
これを説明するにはやり、新車価格の高騰、不景気による維持費等の捻出の困難さ、あるいは高齢化による体力の衰えなどの原因で、ステップダウンの傾向があると考えるのが妥当ではないでしょうか。
また、具体的製品でいうなら、Ninja250やCBR250の貢献度もいくばくかはあるのではとも考えられます。

4.使用年数は長期化傾向

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このグラフは買い替え前のバイクの使用年数です。
全体平均は2003年の5.9年から2011年は6.1と、若干の長期化傾向が見られます。
製品の品質の向上や、サービスの充実等から、伸びた可能性もありますが、経済的に買い替えが難しくなったとも捉えることもできるかと思います。

ちなみに、制度的な面で言えば、2007年4月以降の購入の場合、車検が初回が2年から3年に変更となりました。これが一つの乗り換えの契機となることは確かです。
また、販売形態としてクルマでもよくある残価設定ローンでの購入(3年後に乗り換えかor売却か、残価を支払うかを決めて購入する)がよく聞かれるようになったのもこの頃からだと思います。

2007年4月以降の購入者は2010年4月以降に初回車検を受けているはずです。
上記の2要因により、2年での買い替えの減少、及び3年目での買い替えの増加が2011年の結果に影響することが予想できますが、どうもイマイチ大きな差は無いように思われます。

販売する側の立場を考えれば、折角の買い替えのチャンスなので、この節目でのユーザーとの会話の機会を逃さないことがポイントとなるかもしれません。また、スポーツバイクの平均買い替えサイクルは3.5年から3.9年との結果も出ていますので、やはり3年目をきちんと押さえることが重要かと思われます。

5.バイクに期待すること

バイクを購入する人はなぜバイクを購入するのでしょうか?そして何をバイクに期待しているのでしょうか?
この点をテーマにまとめてみます。

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生まれて初めてバイクを買おうと考えている人はバイクをなぜ買おうと考えているのでしょうか?
上記のグラフがその購入理由なのですが、全体で見ると、「燃費の良さ」、「身軽に動ける」、「自転車より楽だ」といった項目が主たる理由としてあげられています。
しかしながら、購入者の6割が原付等のスクーターのユーザーで、大半の人が主な用途として通勤、通学や買い物、仕事等を目的としています。

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全体ではバイクユーザーの10人に一人しか主な用途として「ツーリング」を挙げていません。
しかし、これをタイプ別にみれば、スポーツバイクのユーザーの約半分がツーリングを目的に購入しているのがわかります。

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それを踏まえて、上記の購入理由にて、スポーツバイクなどの大排気量では選択される項目はまったく異なり、「趣味として楽しみたい」、「二輪はカッコイイと思う」、「二輪車に乗ることに憧れていた」などが上位に来ます。

さて、上記の通り、二輪ユーザーの大半がいわゆる「実用目的」で購入しているにもかかわらず、53%のユーザーが何らかのレクリエーションを経験し、ツーリングや峠道走行を経験していることがわかりました。
そして今後の意向としては、58%のユーザーが今後何かレクリエーションをしてみたいとしているとのことです。

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ツーリングやサーキット走行、またカスタム等もやってみたいとの意向があるようです。

また、新規ユーザーの項目別の満足度を見てみると、面白い結果も見て取れます。

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このグラフは棒グラフが期待していた項目です。実用メインのユーザーが多いことから身軽さや燃費といった項目の期待が多くなるわけですが、実際に購入してみての満足度を聞いてみると、期待以上となった項目は「渋滞に巻き込まれない」もありますが、「乗っている時の爽快感、開放感」や、「スピード感を楽しめる」、あるいは「友人との親密感が高まる」、「カッコイイと感じる」などが顕れました。

これについてはやはり、実際に乗ってみると実用的な性能以外に、感覚的な、あるいは自己実現的な満足度もえることができたユーザーがいることを示しているのではないでしょうか。

これらの結果をみれば、バイクの2面性の中に連続性をみることができると思います。
バイクは実用と趣味という2面性を持つわけですが、ユーザーが期待しているのは必ずしも一方だけではないということです。それはむしろ程度の差としてパラメータ的なものとして捉えるべきであって、趣味で乗る人が実用で使わないわけでもないし、実用の人が趣味的な使用に興味が無いわけでもないと言うことです。

このあたり、一つのヒントになりそうな気がします。

6.バイクを降りる理由

今度は逆に、既存のユーザーがなぜバイクを手放す事となるのかの要因を見てみることにします。
2006 年 6 月以降に二輪車を手放したユーザーに対し、インターネットによるアンケート調査を行った結果上位は以下のとおりでした。

1位:手放した二輪車の利用用途がなくなった
2位:引っ越しをした
3位:二輪車が故障し修理ができなくて困った
4位:就職・転職をした
5位:二輪車で危ない思いをした
6位:仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった
7位:生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった
8位手放した二輪車の維持費
9位:退職した・仕事をやめた
10位:子どもができた

個人的に1位と2位の項目はさらに「なぜ」と言うのを突っ込んで欲しいところですが・・・なぜ利用価値がなくなったのか、引越しをしたらなぜ不要となったのか、そこが知りたいのですが・・・。
まあ、ざっとみると、環境の変化による物理的、精神的必要度の低下、時間と金銭面の不足はひとつのキーとなりそうです。
それに加えて、修理が不可だった、あるいは危ない思いをした(11位に「事故にあった」)は二輪業界の課題と言えるでしょう。

この全体の結果に対して、タイプ別に集計して顕著に差異が出た項目を見ると、各カテゴリでのユーザーの課題が浮き彫りになります。

原付1種、2種では、全体に対して、「二輪車が故障し修理ができなくて困った 」、「修理を出した店のサービスが悪くて困った 」、「軽自動車の購入」、「駐車場で(がなくて)困った」、 「二輪車で事故にあった 」、「二輪車が盗難にあった」など、比較的実務に支障をきたす場合に諦めて降りてしまうケースが多い傾向にあることが伺えます。

対して、軽二輪や小型二輪は「一緒に出かける友人や仲間が少なくなった」、「生活・仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」、「体力に自信がなくなった」、「一緒に出かける友人や仲間が少なくなった」などが挙げられ、壮年期の働きざかりかそれを少し過ぎたあたりのツーリング指向のユーザーの声を代弁するかのような項目が並びます。

また、これと同じことを年代別で見ればより多角的に捉えることができます。
10代、20代は「引っ越しをした 」、「就職・転職をした」、「自動車の購入」、「結婚・子供ができた」が多い傾向にあるようです。
30代になると、「結婚・子どもができた」に加え、「不動産の購入」や、「生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった 」が増えます。
そして40代、50代になると「仕事・生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」、「二輪車が故障し修理ができなくて困った(長年連れ添った相棒の終焉?)」、「教育費 」、「体力に自信がなくなった」等が挙がってきます。

それぞれのライフステージにおいて、どういった課題があってバイクを手放すこととなるのか、イメージしやすくなる資料でした。

7.今後のバイクのあり方

日本におけるバイク市場が縮小傾向にあり、ユーザーの高齢化、また若年層のバイク離れなどで
持続可能性が危ぶまれていることは残念ながら実情として捉えざるを得ません。

ではバイクという乗り物はこのまま消えていくだけの「オワコン(終わったコンテンツ)」なのでしょうか?
それはいちバイクユーザーとして、なんとか今後も楽しめるよう、避けたいと個人的に思っています。

かつての320万台という市場規模について言えば、おそらくそういった時代にはならないのかもしれません。
しかし、新たな市場の均衡点を探りあて、そこから持続可能な成長市場へ再度進み出せることは努力次第でなんとかなるのではないかとの思いも強くあります。

例えば、前回の記事で指摘した通り、総需要の減少の主たる要因はその大半をしめる原付1種の大幅な需要減であると言えます。
原付2種の需要は原油高によって2008年頃には増加しましたし、軽二輪、小型二輪についても減少するものの、根強い人気によって原付1種と比すれば規模を維持していると言えるかと思います。

では、もういっそのこと原付は切り捨てて、大型バイクだけに注力すればいいじゃないか、という論調は、市場にも、また日本の各バイクメーカーに対しても時折投げかけられる指摘ではあります。

しかしながら、それはバイクという乗り物の1面だけしか捉えておらず、可能性を殺している議論とも言えるのではないでしょうか?
上記で見た通り、実用でバイクを利用しているユーザーが8割を超えているとしても、ユーザーの約半数は趣味やエンターテイメントとしてのバイクの面白さを見出しています。
そして、実際乗ってみると、その爽快感や、自己実現度において期待を上回る満足度を得ていることも明らかとなりました。
逆も然りです、趣味性の高いビッグバイクにおいても、その維持コストや燃費性能おいてその他移動手段より優位性を確認できるのであれば、例えば「引越し」や「時間がない」などの理由で簡単には降りることはなくなるでしょう。

鍵となるのはこの2面性をユーザーにおいて、販売チャネルにおいて、また製品において保持していくかが重要なのではないかと思います。

ユーザーの生活、人生において、バイクを降りなければならない状況というのは今回みることができました。そういった局面において、バイクの意義をきちんと訴求できる手当を柔軟に提供できる仕組みがバイク業界に必要とされているのではないかと思います。

例えば、近年人気を得ている250ccのスポーツバイクというカテゴリーがあります。
これらの製品は、若者からみればエントリーモデルで手の届く価格で、原付からのステップアップに丁度いいモデルになります。クルマを持つほどお金も無いし、車検や駐車場代の維持費もかかる、でも学校やバイト先・職場にも行きたい。そして一方で二輪を操ることに目覚め、もっと楽しみたいというニーズを満たしてくれて、他の人とちょっと違う自分を見せられるものです。
一方で、壮年期のベテランライダーにも別の意義があります。折りしもの不況や子供の学費等の負担によって、昔のようにビッグバイクは所有できない、これならば安いし通勤にも使える扱いやすさがあり、且つたまには皆でツーリングにもいけるだろう、と考えればベストの選択肢となります。

仮にNinja250が60万でNSRのようなスペックだったならば、ここまで売れなかったかもしれません。

このようなニーズの掘り出しは、例えば今回流出が顕著であったミドルクラスのカテゴリに対して成されるべき余地はあるような気がしています、例えば免許制度改革などがよく指摘されることです。

また、原付1種についても、今のあり方が限界ではなく、例えば電動バイクとしてのパーソナルモビリティとしての活路の可能性も真剣に取り組む価値はあるのではないかと考えています。

こういった取り組みを一つひとつ、ユーザー、ショップ、メーカー、業界団体などがそれぞれのレベルで考え、取り組んでいけば新しい均衡点を見つけて再出発は可能なのではないかと考えています。


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テーマ : バイク    ジャンル : 車・バイク


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