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MotoGP 2012 Rd.1 カタール戦 レビュー

Category: MotoGP  
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いよいよ2012年のMotoGPシーズンが始まりました。
初戦のカタール戦が4月6日から8日の日程で開催されました。

2011年のオフシーズンは、今年からの1000cc化、CRT制度の導入などで様々な議論がなされました
2011年に圧倒的強さを見せたHonda-ストーナーの盤石の体制がどのようになるのか、不振のDucatiはどうなるのかなど、議論が尽きなかったわけですが、この開幕戦で一つの答えを得ることができました。

そして、今後の長いシーズンを占う上で重要となる開幕戦は、最後まで目の離せない白熱したレースとなりました。

それではカタール戦レビューの詳細は以下から。
1.レース結果

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グリッドのの上位3人は1位から順にロレンソ、ストーナー、クラッチローでした。
続いてスピーズ、ヘイデン、ドビチオーソと並びました。ここではクラッチローの躍進が目立ちます。
それ以降は7番手にペドロサ、12番手にロッシ、CRTマシン最上位はエドワーズの13番手でした。
ロッシはCRTマシンを除けば最下位というタイムという、これまでに無い最悪のスタートとなりました。

レースは2周を終えたところでその後の体勢がほぼ決まりました。
上位3名はストーナー、ロレンソ、ペドロサで、4位以下を引き離していきます。
その後ろにYamahaのサテライトのドビチオーソ、クラッチローの2人がテイルトゥーノーズで4位争いを続けます。
その後ろにスピーズ、ヘイデン、ブラドル、バウティスタ等が付けますが、スピーズは徐々に順位を落としていき、代わってバルベラが加わり、6位以下の集団を形成します。
ロッシはその後ろで遅れてきたスピーズと争い、その後ろにはCRT勢トップのエドワーズがつけていました。

トップ争いは、基本的な順位はこのまま終盤まで維持されますが、18周目、残り5周目あたりから混戦模様となりました。

序盤でトップを取り、ロレンソ、ペドロサと2秒程度の差を維持しつつけ、盤石かと思われたストーナーですが、徐々にペースが落ち始め、その差は1秒を切るところまで詰まります。
ロレンソはストーナーを射程圏内に収めますが、後ろからもペドロサがぴったり張り付き、YamahaをHonda2台が挟む形で進みます。
19周目の1コーナーで、ペドロサがロレンソをパスし、ペドロサがさらにストーナーに詰め寄ります。
しかし、そこでロレンソは終わらず、すぐにペドロサを抜き返し、さらにはストーナーもこの周で抜き、トップに立ちます。
ストーナーはその後2位に踏ん張りますが、残り2周となった1コーナーでペドロサにパスされます。
残り2周で、ロレンソとペドロサの差は1秒弱ついていました。ペドロサはストーナーをパスするのに1周費やしてしましました。
ロレンソが守り切るか、ペドロサが追いつくかの攻防が成されましたが、結果ロレンソが守りきり、開幕戦の勝利を手にします。2位はペドロサ、3位はストーナーが入りました。
4位争いはドビチオーソとクラッチローが序盤よりこの順番でずっと走っていたのですが、16周目にクラッチローがパスし、この戦いを制しました。
6位争いはヘイデンが制し、Ducati勢では最上位となりました。ロッシは10位と沈み、Ducatiサテライトのバルベラの後塵を拝すこととなりました。
それよりも調子が悪かったのはスピーズ、CRTを除けば最下位の11位となりました。
12位がCRTマシンの最高位でNGMのエドワーズが入り、その後ドプニエ、エルナンデスと続きました。

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上記2図表参照:Yamaha:ロードレース世界選手権 MotoGP Rd.01 04/08 カタール

2.ライダーコメント

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主だったライダーのコメントを抜粋して紹介します。

1位:ロレンソ
「なんて素晴らしいレース!僕は自分の能力をすべて出し切り、自分のパワーをすべてコースに注入したよ!最後まで決してあきらめず、全力でプッシュし続けたからこそ、この勝利につながったんだ。ケイシーは序盤で強さを見せてリードを広げていった。でも終盤で何かあったらしく、ペースが落ちてきたんだ。僕のほうは自分のペースをキープできていたので、最後には彼をパスすることができた。YZR-M1はこの冬の間に大きく進化した。このマシンを与えてくれたヤマハに心から感謝している」

2位:ペドロサ
「チームはすばらしい仕事をしてくれたので、ウオームアップで、とてもよくなりました。完ぺきなスタートも切れたし、それが好結果につながりました。残り4周でトップに出ようとしましたが、ロレンソの方がいい作戦をとっていました。彼をパスしたのですが、すぐにオーバーテイクされ、ケーシーにも越されてしまいました。結果、1周ケーシーの後ろにつくことになり、ホルヘに離されてしまいました。

3位:ストーナー
「(マシンは)いいパッケージになっていたし、レースをリードするだけのペースもありました。とてもポジティブでした。しかし、ひどい腕上がりに苦しみました。3周か4周を終えたころから感じ始めて、どんどんひどくなっていきました。そのため、ホルヘやダニと少し差をつけて勝てるようにがんばりました。ギャップを最小限に抑えるように努力したのですが、レースが進むにつれて状態はひどくなり、そのうち筋肉がいうことを聞かなくなりました。ハンドルバーをきちんとつかめなくて、とても大変でした。テクニカルな面はとてもすばらしかったので、それだけに残念なレースでした」

4位:クラッチロー
「アンドレアとのバトルを楽しむことができた。彼は経験豊富なライダーで、ほとんど猫とねずみの戦いのようだったけれども、そこからたくさんのことを学ぶことができた。彼をパスすることは可能だったんだけれど、そのあとは必ず僕の後ろにぴったりつけてくることもわかっていた。だから最後までチャンスを待っていたんだ。

5位:ドビチオーソ
「5位は悪くない成績だと思うけれど、あまりハッピーな気持ちにはなれない。これは主に、ヤマハのマシンでのレース経験が少ないからだと思うんだ。いい仕事をしたいという気持ちが強いのに、なかなかそれができない。その原因は、ひとつには、やはりまだヤマハのマシンをマスターできていないこと。もうひとつはシャシーと電子制御システムのセッティングがしっかりできていないことだと思う。このふたつができれば順位はもっと上がっていくだろう。」

6位:ヘイデン
「ドヴィツィオーゾやクラッチローと互角にやり合うポテンシャルはあったと思うが、自分自身の怪我やオフシーズンにそれほどテストができなかったことを考えると、6位はそれなりに良い結果だと言えそうだ。」
今シーズンはかなり戦えそうな気がする。まだいくつか改良の余地はあるが、ドゥカティには良い結果が出せるポテンシャルがある。

11位:ロッシ
グリップの良いニュータイヤを履いたところ、リアがプッシュするようになった。そのせいでブレーキング中のコントロールが難しく、序盤にかなりのタイムをロスした。その後、バルベラに押し出されてコースアウトし、更に5~6秒ロスしてしまった。」「タイヤのグリップが低下してマシンがスライドするようになると、良い感じで走れるようになった。それに連れてラップタイムも良くなった。」

12位:スピーズ
「今回はレースウイークのなかで2回もエアバッグのテストをしてしまったけれど、それがちゃんと機能してくれることがわかったから良かったよ。」「僕のほうは、とにかくチャタリングがひどいので、これを何とかしないとね

コメントを見ると、トップ争いで何が起こっていたかが見て取れます。
ストーナーはブレーキングによる右腕の疲労で腕上がりの症状が発生し、それが失速の原因だったようです。
ペドロサとロレンソの争いについては、うまく立ちまわったロレンソに要因があったようです。ペドロサは成功したオーバーテイク以外に2度ほど詰め寄りましたが、失敗に終わり、結果としてストーナーに阻まれる事となったようで、レース終了直後悔しそうにしていたのが印象的でした。

コメント引用元
Yamaha:Yamaha:ロードレース世界選手権 MotoGP Rd.01 04/08 カタール
Honda:Honda:予選7番手から追い上げたペドロサが2位。 終盤までトップを走ったストーナーが3位。 優勝を逃すも、開幕戦でRepsol Honda Teamの2人が表彰台に立つ 2012年4月8日(
Ducati:Ducati.co.jp:MotoGP round1 ロザイル・インターナショナルサーキット

4.ストーナー失速の原因

昨年来の強さを見せつけ、そのまま勝ってしまうかに見えたストーナーですが、上記コメントの通り、後半に腕上がりの症状により失速し、3位に甘んじる結果となりました。
これについて、詳細を以下のとおり説明しています。

「後半のブレーキングは残念なものだった。残り10周のあたりで尽き果てなかったのは信じられない、よく耐えたと思う。ハンドルバーから手がすり抜け、弾き飛ばされそうになった。序盤から良い感じではなかったが、トップに立った時に1周だけかなりプッシュした際には突き放すことができたので、彼らはこのペースにはついてこれないと分かった。そこでスムーズなライディングに切り替え、差を広げようとしたが、腕の具合が悪くなり耐えられなくなった。8周か9周は、手首を引き、体を前に持っていくようにしてレバーを掴んで辛うじて耐えた」
「それからはもはやどれぐらいの握力があるのか分からなくなり、雑なブレーキングとなった。バックマーカーになったような気分で、何もできなかった」

また、腕上がりの原因として、新調したグローブについても言及しています。
「土曜日に9ヶ月使っていたこれまでのグローブを新調した。新しいグローブは少し固く、あまり良い感覚ではなかった。またバイクを地面に押し付けるために、腕に多分な負荷をかけることとなった」とコメントしています。

ストーナーが腕上がりの症状に悩まされるのはこれで2度目で、初回は2010年のシルバーストーン戦でした、これについては「2010年の際には、なんとか解決することができたので、次のレースまで時間もあるし、なんとかすることができると期待したい。」とのことです。

また、この腕上がりについてマシンのチャタリングも原因ではないかという指摘については否定をしています(中本氏のコメントに反して)、曰く「前半のレースではチャタリングの問題はなかった。正直、レース終盤でひどいチャタリングがあったが、それによって腕を振動させてくれたので楽になった。しかしそれは大した効果は無かった」とのことです。

MCN:Qatar MotoGP: Arm pump halts Casey Stoner’s victory bid

結局何が主たる原因なのかはいまいち判然としないコメントでした。
Hondaファクトリーチームのボスである中本氏は「ケーシーは、ブレーキをかけているとチャタリングが収まるので、ブレーキを使いすぎて右腕の腕上がりを起こしてしまいました。」とコメントしています。

いずれにせよ、これが継続的な問題であればストーナーの安定性を脅かすものとなるので、今後の対策が課題となってくることでしょう。

5.CRTマシンのポテンシャル

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2012年シーズンから初登場のCRTマシンですが、どうやらCRTで1位のマシンはウィナーズサークルに入れるようです。今回はエドワーズが入り、インタビューも受けていました。
さて、そんなCRTマシンの能力はどのようなものなのでしょうか。今回の数字を比較することで探ってみます。

ラップタイム:
CRTベストラップタイム:1'57.644(QPエドワーズ)
MotoGPクラスベストラップタイム:1'54.634 (QPロレンソ)
Moto2クラスベストラップタイム:2'00.187(QPルッチ)
コースレコード:1'53.927(2008年QPロレンソ)

最高速(レース時):
CRTベスト:319.5Km/h
MotoGPクラスベスト:342.3Km/h(Ducatiサテライト バルベラ)
(参考)2011年(800cc)クラスベスト:330.2Km/h(Ducatiサテライト バルベラ)

レースタイム:
CRTベスト:43'42.302(エドワーズ)
MotoGPクラスベスト:42'44.214(ロレンソ)
(参考)2011年(800cc)クラスベスト:42'38.569(ストーナー)

ラップタイムでトップから3.010秒差、最高速で22.8Km/h、レースタイムで58.088秒の差となりました。
大雑把に計算すれば、レースではおよそ半周のラップ差となります。
この差を今後どう埋めていくのか、課題になってくると思います。




さて、ようやく開幕した2012年のMotoGPですが
初戦から首位争いで面白いバトルが見れ、非常に面白いレースだったと思います。
例えばロレンソやペドロサのラップタイムを見れば、56秒台前半をマシンのような正確さでコンスタントに出し続けています。
ストーナーは前半55秒台で飛ばしていましたが、例の腕上がりのせいで後半57秒までペースが落ち、3位に甘んじることとなりました。
タイム的にはストーナーが半歩先をいっていたようですが、それに対し絶対的な安定性(Consistency)を武器に他2名が対抗したのが今回のレースではないでしょうか。

まだ始まったばかりのチャンピオンシップですが、そのあたりをうまくマネジメントできたチーム、ライダーがやはり、勝つべくして勝つのだろうと思います。

さて、次回は4月29日にスペインのヘレス・サーキットにて開催されます。
ロレンソ、ペドロサの地元となりますが、果たしてどういうレースとなるのか、楽しみに待ちたいと思います。

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テーマ : モータースポーツ    ジャンル : 車・バイク


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