MOTOCENTRISM - MotoGPと世界のバイクニュース -

MotoGPを始めとした、世界のバイクに関するニュースを配信



スポンサーサイト

Category: スポンサー広告  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

MotoGP エドワーズが語るCRTマシンの課題:電子制御技術

Category: MotoGP  
WS000349.jpg

現在、ヘレスにてMotoGPクラス、Moto2クラスのテストが開催されています。
MotoGPクラスについてみてみると、Ducatiはテストライダーのバッタイーニ、WSBKの今期チャンピオンのチェカがGP12をテストしました。
CRTチームからはBQRのイバン・シルバとヨニー・エルナンデェスがKawasakiのエンジンを搭載したFTRのマシンでテストしました。
また、Asparと契約間近と言われているドプニエがApriliaのWSBKのマシンを一部改造してテストを行いました。

そして、NGM Forward Racingのエドワーズが初めてマシンをテストしました。

MotoGP.com:ヘレス合同テスト1日目:エドワーズ&高橋がテストデビュー
MotoGP.com:ヘレス合同テスト2日目:R.ドプニエがアスパルチームからテスト

タイムは以下のとおり

1日目:
Carlos Checa Ducati GP12 1:41.0
Colin Edwards Suter-BMW 1:43.9
Iván Silva FTR-Kawasaki 1:44.6
Yonny Hernández FTR-Kawasaki 1:45.2

2日目:
Randy de Puniet Aprilia 1:41.5
Colin Edwards Suter-BMW 1:42.6
Iván Silva FTR-Kawasaki 1:43.5
1Yonny Hernández FTR-Kawasaki 1:44.0

※参考:2011 MotoGP Pole: Casey Stoner, 1'38.757

Via:
Motomatters:2011 Jerez Combined MotoGP And Moto2 Test Day 1 Unofficial Times: Moto2 Faster Than CRT Bikes, Matching WSBK
Motomatters:2011 Jerez Combined MotoGP And Moto2 Test Day 2 Unofficial Times: The Aprilia Fastest, CRT Bikes Find Big Gains

CRTチームとして参戦予定のマシンを見れば、ドプニエの41秒5が最速タイムとなっており、ストーナーのラップタイムにはまだまだ3秒程度の差があり、依然開発の余地がありそうです。

さて、2日までのテストを消化し、エドワーズがCRTマシンの感想、及び今後の課題についてコメントしています。

MotoGP界ではベテランとも言え、ワークスマシンも乗ったことのある彼の経験からCRTマシンはどのように感じたのでしょうか?

詳細は以下から。
WS000350.jpg

MCN:Colin Edwards: “We’ve got a huge to do list”

1.エドワーズの問題提起

エドワーズは初日 1.43.9、2日目は1.42.6のタイムを出しています。
今年のヘレスGPでの予選のタイムは1'39.895だったので、YamahaのYZR-M1に乗った時と比べてもまだまだ差はありそうです。

しかしながら、初回のテストとしての感触は概してポジティブだったようです。エドワーズ曰く
「ある程度のことは達成出来たが、ヘレステストで膨大なTO DOリストを抱えそうだ。まだまだ多くのやるべき課題を抱えているが、分かっていたことだ。このリストに優先順位の高い順にチェックしていかなければならない。」
「マシンは思っていたよりも良く、このマシンには現在我々が出せる結果以上のポテンシャルを持っている。多くのマシンに乗り、戦えるマシンに仕上げてきた経験があるが、このマシンも戦えるマシンになる能力がある。しかしそうするにはまだまだ時間が必要だろう」
「これまでにこれより状況が悪かったこともあったが、時間との戦いが重要だ。テストで乗ることは重要だが、改善策を見つけ出さなければなならない。これをセパンのテストでは試みたいと思う」

とコメントしており、課題は山積ながら、マシンのポテンシャルには一定の評価をしたようです。

さて、本人がコメントしている通り、これから「改善策」を見つけなければならないわけですが、エドワーズは最も注力すべきテーマは電子制御系とのことです。

エドワーズは、「電子制御系が最も取り組まなければならない分野だ。現在、自信を持って乗ることはできていない。電子制御系という分野はファクトリー(メーカー)がかなりのアドバンテージを有しており、直近までYamahaに乗っていた経験から知ることを言えば、彼らファクトリーがあのレベルに達するまでにどれほどの時間がかかったかということだ。」
「そしてそれらは自分や、ロッシや、ロレンソ、スピーズが多くのインフォメーションをフィードバックして成されてきた。そういう意味では今の我々は数年の遅れがある。現状のタイム見れば、恐らくレースでは(タイム差がありすぎて)2つのチャンピオンシップのように見えるだろう。このギャップを埋めることが出来ればと思う。」
とコメントしています。

このように、エドワーズは自身の経験から、ファクトリーマシンとCRTマシンとの最も致命的な差を電子制御系の熟成度だと捉えているようです。

2.電子制御系の現状

WS000351.jpg

参考:
Motomatters:MotoGP Electronics: Even More Complex Than You Thought
Bukisa:Moto GP Control Systems - Modern Motorcycle Systems Overview Panel Read more: http://www.bukisa.com/articles/93795_moto-gp-control-systems-modern-motorcycle-systems-overview-panel#ixzz1ej9eQBHm

エドワーズのコメントにあった電子制御技術ですが、よく言われているように、現在のMotoGPマシンは電子制御技術の塊になっています。
MotoGPのマシンの展示等を見たことがある方なら分かると思うのですが、市販車ではありえないような場所から無数のケーブルが出ています。
マシンには無数のセンサーが取り付けられており、スロットルポジション、ホイール回転数の検知、ジャイロスコープや加速度センサーによるマシンの状態の把握に始まり、さらにGPSも搭載しており、トラックでの位置情報も収集しています。
そしてそれらのデータの収集から、マシンのパフォーマンスをその場その場のコースの特性に合わせていっています。

具体的な制御技術としては、電子制御スロットルや、トラクションコントロール、エンジンブレーキ制御、ウイリー制御、スタート制御(レーススタート時の発進制御)などが挙げられ、これらの様々な技術がライダーをサポートします。

さらに、Yamahaの古沢氏によるM1の開発に関する説明によると、最近のマシンは得られた情報から最適なマシンの特性を導き出す以上のことをしているとのことです。
というのも、現在のマシンは走行中に上記のような演算の他に、リアルタイムのシュミレーションを行い、この先の数ラップでのマシンの挙動を予測しているとのことです。
例えば、センサーからタイヤの磨耗状況とトラクションの具合を把握し、シミュレーションによって今度どうなるかの予測をたて、次週以降のエンジンマッピングのセッティングに反映させているとのことです。

3.統一ECUの狙い

上記のような化物ECUを最近のMotoGPマシンは搭載しており、ベストのパフォーマンスを出しきるべくライダーをサポートしています。

このような技術の進化には、当然膨大の量の実際のライダー、殊更に限界までマシンを操れる一流ライダーの走行実績からのフィードバックとマシンの特性との擦り合わせが行われ、演算システムを構築していくというプロセスがあったことは容易に想像がつくことかと思います。

エドワーズはこのプロセスにおいて、新しいCRTマシンは後塵を拝ししていると述べているものと思われます。

するとこのギャップを埋めるためのレギュレーションの変更という方向性をDornaが提案するのも自然な流れとなります。
DornaのCEOエスペレータは以下のようなコメントをしています。
「市販の1000ccエンジンのボア径は最大で(MotoGPの規定内となる)81mmだ。違いは電子デバイスだけだ。将来的には電子デバイスをイコールコンディションとし、チームがどの(メーカーの)エンジンを使用できるか選択できるようになる」

11月18日記事:MotoGP CRT制度:運営は推進の方針 ライダーの賛否両論

この発言を単純にクレイミング・ルールによるチーム間のエンジンの融通を円滑化すると言う目的だけではなく、上記で見てきたようなファクトリーとCRTとの絶対的な電子制御系の熟成レベルの差を埋めようという施策があると考えることができます。

そして、この統一ECUのスペックをある程度制限することで、同時に各方面からの電子制御系の多用への批判、あるいはコストアップの歯止めにつなげたいという所ではないでしょうか。




話が少しずれてきましたが、いずれにせよCRTマシンについてはまだまだ課題が多そうです。
CRTチーム自体にも始まったばかりということで、マシンはもとより、ライダーの技量や資金面でもまだ足場が固まっていると言う訳ではないかと思います。

来年の一つの大きなテーマはこのCRT制度、チームの安定化が挙がってくることになると思います。
運営も十分なサポートを提供した上で、軌道に乗れば来年以降もフォローし参戦してくるチームも出てきて活性化するかと思うので、ぜひ頑張って欲しいと思います。

関連記事

テーマ : モータースポーツ    ジャンル : 車・バイク


Comments

なんで文字色灰色なんかにしてるんですか?
見づらいんですけど、読んで欲しくないのでしょうか?
・CRTルールを契機に、将来的にプロトタイプエンジン(と制御系も?)供給元が生まれると良いとですね
4st化されてからは、超高額な車両一式として(レンタル?リース?)供給されており、スポンサー確保の難しさもあって参加台数減少を招き、それを爆音で誤魔化している感があります。タバコスポンサーがヨーロッパで今でもOKだったら、参加台数は維持・増加したのか興味があります。
(逆にそのお金は、現在どう使われているんでしょう・・・)

そこそこの値段でエンジンがあれば、Moto2と同様に参加者は増えるんでしょうね。

市販レーサーが無い現状ではコンポーネントを持ち寄ってチームを作るという形式を探っていると見ていいのでしょうか。


・WCMチームが、市販エンジンを組み合わせて参加して、最終的にプロトタイプではないと言う理由でNoが出ましたが、あれはどう説明されているのでしょうね。
「当時はだめ、これからはルールとして認めるからOK」
だったら切ないです。当時の記憶ですが、「じゃあ、プロトタイプって何?4stは世界中で使われている形式じゃないの?」と疑問を呈していたライダーも居ましたから。

・Moto2は単一エンジンになりましたが、レースを見てると、
「沢山のホンダ車がやって来る・・・」
という印象が強いので、複数のエンジン供給元があったほうがレース観戦は楽しいですね。

(間違いなどがあれば訂正してもらえるとうれしいです)



・来年の茂木はどうしよう。
2st、スズキがいない。
日本人ライダーも極少数になった。
MFJのレースレギュレーションでは、世界に勝てるワイルドカードチームが育たない
これじゃ魅力が薄いよなぁ
(これは愚痴)
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
遅くなりましてすいません。

CRTの構造について言えば、現状は、メーカーが市販バイクのエンジンを供給し、Suter、FTRなどのマシンビルダーがフレーム等のコンポーネントを作り、それらをマネジメントのノウハウのあるチーム(Gresini等)がライダーを雇ってマシンを走らせているという状況かと思います。

多様なステークホルダーが関与することで、少額でも色んな分野から資本(資金)を集めることができれば、メーカーの資金に依存しきっている状況よりはマシになるかもしれませんね。

エンジンについては、例えばApriliaはWSBK用のエンジンを供給するというように、レーサーに近いモノを使用しているようですが、廉価なマシンコンポーネントの供給ということになると、いずれにせよマスで生産しているメーカーの協力が今後も必要なのかもしれません。

WCMのケースについては、以下のサイトにて考証記事の訳文が紹介されています。

http://moonfish.cocolog-nifty.com/srdandy/2011/11/motomatterscomc.html

ここでは、WCMのケースについては、「いずれにせよWCMがあの体制で2012年に参戦するならCRTとして認められたことでしょう。」との考えが記されています。

ということで、やはり時のルールに振り回されてしまったということでしょうか。

日本の二輪を取り巻く環境は凋落傾向が進みきった感がありますね・・・。
MotoGPもメーカーとの距離を取るという方向性で進んでいるようですが、メーカーのこれまでの考え方にとらわれない異業種からの方策なども取り入れて、活性化を模索しないと行けないかもしれませんね・・・。

ぜひまたご意見ください!

Leave a Comment

おすすめ書籍
Sponsored Link
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。