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MotoGP CRT制度:運営は推進の方針 ライダーの賛否両論

Category: MotoGP  
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2012年からの大きなレギュレーションの変更としてCRT(クレイミングルールチーム)の導入があります。
既に何度か取り上げていますが、概して言えば「コンストラクター(プライベートチーム)が市販の1000ccマシン(エンジン)を利用したマシンで参戦可能」ということです。

5月13日記事:MotoGP 2012年 新レギュレーション:CRTルールで参戦チーム増加の見通し

6月2日記事:MotoGP 2012年 CRTチーム Aprilia、BMWのエンジンを使用しての参戦か

これにより、よりコストを抑えたチームの参戦が可能となり、来年のグリッドに並ぶマシン台数は増加の見通しです。

11月12日記事:MotoGP 2012年 マシン チーム体制:シーズン終了直後の状況

さて、このCRT制度の導入で今後のワークスチームとプロトタイプマシン(MotoGP専用マシン)はどうなってしまうのでしょうか?

Dorna(MotoGP運営会社)のCEOであるエスペレータは「2013年から全てのマシンはCRTとなる」とも取れる発言をして話題となりました。

また、この制度の評価についてもライダー等より賛否両論あり、問題点も幾つかあります。

MotoGPの今後を考える上で重要な制度ですので、詳細を見てみる事にします。

1.エスペレータの真意と問題意識

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GPone:Dorna: an all CRT MotoGP from 2013

発端はこの発言からでした。DornaCEOのエスペレータがラジオで述べたコメントが紹介されました。
彼はまず、「市販の1000ccエンジンのボア径は最大で(MotoGPの規定内となる)81mmだ。違いは電子デバイスだけだ。将来的には電子デバイスをイコールコンディションとし、チームがどの(メーカーの)エンジンを使用できるか選択できるようになる」と述べ、電子デバイスを共通化することでマシンの汎用度を上げ、エンジン選択の幅を広げる意図がある旨コメントしています。

続いて、F1のようにメーカーと距離を置き、プライベートチームが増えるシステムに近づけるかについては、「そうしたい。2013年からは全てのMotoGPマシンは同じ特徴を持つだろう。電子デバイスとエンジンが基本的に同じであれば、エキサイティングなレースとコスト低減が期待できる」とコメントしています。

「2013年から全てのマシンはCRTとなる」という見出しについては、この発言の「エンジンが基本的に同じ」という意味をやや拡大解釈しているかとも思いますが、基本路線としてCRT推進の意向は見て取れるものとなっています。

さて、その後、彼の意図せんとしたことがよくわかるコメントが記事になります。

Eurosport:Ezpeleta: MotoGP must change now

彼はまず、現状について「最近のMotoGPは好ましくない。Hondaが圧倒的で、他が僅差で付け、残りはもっと悪い。バトルがなく、観客は満足していない。」「MotoGPは最先端技術を追うだけのものではなく、エンターテイメントでもある。この状況は好ましくなく、長くは持たないだろう」と現状の、特にエンターテイメント性に問題に関して危惧を表明しています。

そしてマシンのレギュレーションについて触れていきます。曰く;
「マシンの製作のプロセスに問題がある。現在の経済状況に即してなく、このまま行けばマシンのリース料を払える予算をチームは捻出できず、2013年には2台のHondaしか残らない、こんなことがあってはならない」
「そこで、MotoGPマシン(プロトタイプマシン)をリースで使用するチームには資金的援助をしないことに決めた。DornaはCRTのみ支援することとする。ワークスチームが3メーカーで6台出すなら、我々はCRTチームだけに資金的援助を提供する。そうすれば6台の他に16台のマシンを揃えることができる」

そして、具体例を挙げてメーカーが求める高すぎるリース料を批判します。
「Asparのケースが良い例だが、プライベートチームはMotoGPマシンを使って参戦できない所まで来ている」
「Moto2チャンピオンのブラドルはMotoGPに参戦するのに400~500万ユーロを要求されたのは馬鹿げた話だ。どうやってそんな額が用意できようか?チームの資産にもならないリースのマシンに400万ユーロも支払えるだろうか?こんな時代は終わったのだ」
「メーカーは言いたいことは言えば良いが、現実は変えられない。資金に余裕はなく、コストは削減しなければならない、これが現実だ。見てるだけは止めて今動き出さなければならない」
とのことです。

現状、特にメーカーに対する痛烈な批判です。殊更にメーカーと決別姿勢をあらわにし、CRTの推進に力を入れている意気込みを感じます。

ですので、「2013年には全てのマシンがCRT」も彼の真意に沿っているとも言えなくもないとも思われます。

2.Pros and Cons (賛否両論)


さて、このように市販車ベースのエンジンと、オリジナルフレームで構成されるCRTマシンですが、賛否両論あるようです。

まず、反対意見は2011年ワールドチャンピオンのストーナーから挙がりました

「プロトタイプマシンがなくなれば、ツーリングカーで走ってるのと同じだ。"レース"というものの全てを自分から奪ってしまう。ストリートバイクをあれこれ改造して強いマシンを作ったとしても、今マシンと同じような興味を持てないだろう。
プロトタイプマシンは長年続いてきたものだ。コストは確かに挙がり、チーム運営に必要な人員も増えた。500cc時代より複雑になっている。しかしCRTのようになってしまえば残念だし、そんなレースに参戦したいと思えるか分からない」

最先端の技術を結集させたプロトタイプマシンだからこそMotoGPだと言わんばかりの主張です。

また、スピーズは「この経済状況なので、2013年もライダーでいられたらと思っている。CRTマシンは特に気にしていないが、あまり好ましいとも思っていない」
と一定の理解を示しながらも食指は伸びないといったところのようです。

Eurosport:Stoner threatens to leave MotoGP over rules

一方で一応肯定的なのはロレンソでした。
「この経済状況の中、コストを低減し、スポンサーに低額で参戦できる提案は賛成できる。個人的に、スピードとパワーが将来的には規制されていけば良いと思う。というのも、今のパワーとスピードは限界を超えるところまできている。時速360Kmで走るのは面白いが、究極的には少々危険だ。他に良い手は無いし、グリッドを埋めるための緊急措置ではあると思う」
と、加熱するマシンのパワーとスピードの競合に対する懸念と合致する、コスト低減のCRT制度に肯定的な考えを述べています。

Twowheels:Jorge Lorenzo in favour of CRT's

また、元GPライダーのガードナーのこの件についてコメントしており、肯定的な考えを示しています。
彼はまず、「4ストロークのマシン導入(MotoGP化)を推進したのはメーカーであり、それによりコストが上昇した。またサテライトチームに法外なリース料を課しているのもメーカーで、それが参戦チームが減少した主要因だ」とメーカーの姿勢をまず指摘しています。
さらに、なぜこのような事態を招いたかについては「主要な決定をしていたのがマーケティングに明るい人達ではなく、エンジニアでだった。エンジニアはレースが面白いかどうかはどうでもよく、技術のさらなる開発とレースの勝利にしか興味がない人達だ」と述べ、マーケティング的視点の欠けたMotoGPのマネジメント体制を批判しています。

CRT制度については、「これによりメーカーの影響力が低下するのであれば、同意せざるを得ない。MotoGPには低コストで参戦でき、エンターテイメントとしての価値を向上させるアイディアが必要だ」と評しています。

Waynegardnerapproved.com:Wayne's Weekly - #69





これらの主張を通して、MotoGPのあるべき姿の条件が浮かび上がってきます。

1.低コストで参戦でき、多くのチームを呼び込めること
2.エンターテイメント性を向上させ、面白いモノにすること
3.主に上記1.2の達成により、より多くのスポンサーを誘致できるようにすること
4.世界最高峰のプレミア・クラスとしての権威を守ること
5.各々(メーカー、ライダー等)が持ちうる最先端の技術を競い合わせ、向上できる機会であること

これら全てを満たさなければMotoGPは衰退の一途をたどる気がします。

さて、CRT制度がこれらにどこまで良い影響を与えるのか、まだまだ未知数です。
しかしながら、新しい試みとして色んなことに取り組んで、皆で議論してより良い方向に変えていけば良いと思います。
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テーマ : モータースポーツ    ジャンル : 車・バイク


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