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欧州 二輪市場 2011年上半期:微減傾向続く

Category: 世界のバイク事情  
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ヨーロッパのバイク市場は2008年のリーマン・ショック、世界同時不況の始まりと同時にピークアウトしました。

ヨーロッパのバイク環境に大きな影響を与える、欧州マクロ経済的な不安定は依然続いています。
ギリシャ、南欧諸国の国家債務危機はいつ爆発してもおかしくないという緊張状態が続いており、それを解決する術をEU(欧州連合)は持ち合わせていないという現状です。

そんな中、2011年上半期のバイク市場は2010年からのトレンドを払拭できず、依然減少傾向にあります。

欧州二輪市場において、主要な5カ国(イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス)の数字を確認し、何が起きているのか見てみることにします。

詳細は以下から。
※便宜上、カテゴリの呼称を以下のとおり統一します。

モーターサイクル(MC):50cc以上のギア付きバイク
スクーター(SC):50cc以上のオートマチックバイク
モペッド(MPD):50cc以下のバイク、ギア付き、オートマチック分類なし

1.イタリア

イタリアは欧州で最大のマーケットです。ApriliaやVespaのブランドを抱えるPiaggioグループや、Ducatiのお膝元で、日常の足としてのスクーターが根付いており、経済規模から見れば異常に大きな市場といえるでしょう。GDPで倍以上の差があるにもかかわらず、日本の市場に匹敵する年間40万台クラスの規模があります。

2011年の1-6月の総登録台数は164,381台で対前年で15.7%のダウン。MCは56,565台で9.8%の下落にとどまりましたが、SCが107,816台で18.5%もの大幅ダウンとなりました。

motoblog:Mercato due ruote in calo anche a giugno (-19,6%)

これについてANCMA(イタリアンバイク協会)の代表は以下のようにコメントしています。
「原因の一つとしてインセンティブ(補助金制度)が無いことが挙げられる。昨年は33000台に対して給付され、減少に歯止めをきかせていた。もう一方では、気候の不安定性と、家庭の購買力を抑え、耐久消費財の買い替えを抑制する経済事情だ。」
また、その他の要因として保険料の引き上げや、ガソリン税の上昇、クレジット環境(ローン審査)問題などを挙げ、今後としては「二輪の購入を妨げるような障壁を作ることは避けなければならない」とコメントしています。

Motociclismo:Mercato moto e scooter giugno 2011: ancora segno negativo

参考:ANCMA 登録台数統計

イタリアは2009年に大規模なスクラップインセンティブ政策を行ったため、需要の下落に歯止めをかけていましたが、国家債務危機が露呈し始め、2010年はかなり予算を縮小されましたがそれでもインセンティブを行いました。今年はそれが無く、徐々に実際の市場の購買力が露呈し始めたのかもしれません。

2.フランス

欧州で2番目の市場規模を持つフランスですが、こちらはイタリアと違い、堅調な様子が伺えます。
2011年1-6月の登録台数(MC+SC)は107,295台、これは対前年で2.3%の減少にとどまっています。

この市場の減少について大きな影響を与えたのは125ccの登録台数でした。125cc以上のMC、SCは対前年で5.7%の登録増(63,479台)であったにも関わらず、125ccが対前年でマイナス11.9%(43,816台)と大幅に減少しました。

この理由は新たに導入された小排気量バイク免許取得時の7時間のトレーニングの義務化でした。これにより、KTMのDuke125等の期待のモデルが出たにも関わらず、落ち込むこととなりました。

カテゴリ別のトレンドとしては、SS(スーパースポーツ)は+9.2%、ネイキッド(ロードスター)は+4.9、トレール(R1200GS等)は+8.7と上昇しましたが、ビッグスクーターが-2.9%、125ccと同様に7時間のトレーニングが課せられたPiaggioのMP3LTも-9.4%と苦戦し、いわゆるバイクらしいバイクへの回帰の傾向が徐々に現れてきました。

しかしながら、依然トータルでは市場は減少傾向なので、まだまだ「回復した」とは言い切れません。

moto-station:Analyse marché moto scooter 6 mois 2011 : Changements de cap !

3.ドイツ

BMWのお膝元、欧州最大のGDPを誇るドイツですが、バイク市場自体は上記2カ国よりも大きくはありません。
スクーターの市場が大きくないことが要因ですが、MCの市場自体はイタリアに匹敵する市場規模があります。

ドイツの2011年1-6月の登録台数(MC、SC)は86,243台で、対前年で5.28%の増加となり、こちらは回復の傾向が顕著に見られます。

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セグメント別では、125cc以上のMCが5.8%、同SCが17.82%と、順調に回復しつつありますが、125ccのMCは-5.04%と、部分的にはまだ減少が続いているセグメントもあります。

TOP10モデルを見ると、BMWの圧倒的な強さが伺えます。

MC、SCトータル TOP10モデル
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R1200GSの圧倒的な強さに加え、上位4位を独占する、他では見られない市場となっています。

また、BMWは前年伸長はもとより、シェアも拡大しつつあります。MC・SCトータルで対前年12.93%の増加で、シェアは15.40%から16.52%と1ポイント以上のシェアアップとなっています。

苦戦するは日本のメーカー勢です。
Hondaは対前年-5.1%、Kawasaki-1.2%、Suzuki-7.6%、Yamaha-6.6%となっています。

リーマン・ショック後もユーロ安を背景に世界中で攻勢をかけ、次々にニューモデルを出し続けるBMWにお膝元であるドイツでは特に、日本メーカーは差を広げられているという構図が見て取れます。

いずれにせよ、市場全体としては、マクロ経済の安定性を反映してか、堅実な回復が見られます。ヨーロッパの優等生であるドイツがが今後、欧州二輪市場を引っ張って回復させていくことに期待したいと思います。

kfz-betrieb:Neuzulassungen Motorrad Juni 2011: Das Gold bekommt Flecken

4.スペイン

今環境的に一番厳しいのが欧州4番目の市場であるスペインかと思われます。

マクロ経済はかなり厳しい状況が続いており、特に顕著なのは失業率の高止まりで、20%台の失業率がリーマン・ショック後ずっと続いています。

それを反映してか、MC・SCの2011年1-6月の登録台数は63,611台と、対前年で13.4%の市場縮小が続いており、これは51ヶ月(4年と3ヶ月!)連続での下落ということです。

追い打ちをかけているのが免許制度の改正です。大排気量(500cc以上)の免許制度の改正により、取得にかかるコストと時間が大幅に上昇し、それが販売に大きなダメージを与えています。500ccから700ccの登録は45.4%のマイナス、それ以上も31.4%のマイナスと、深刻な状況です。

この危機的状況において、ANESDORの事務局長は「マーケットは夏になったとしても依然動かないだろう。中・大排気量のバイクは最も利益の出るセグメントで、産業と雇用の中核となるものだ。それが欧州指針に反する免許政策によって2年以上も麻痺状態にされている。この状況は受け入れられないものであり、既に12,500もの職が失われてしまった」と述べています。

経済の問題に加えて、二輪市場に関わる政策の問題が重なり、今最も厳しい状況にあるスペインの状況を端的に示しています。EU内であるにも関わらず、独自でかなり厳しい免許制度を作ったツケは、長期に渡り悪影響を及ぼすものと思われます。

Motoworld:El mercado de la moto cae un 21 por ciento en junio

Motocompetition:El mercado de motocicletas cae un 21% en junio

5.イギリス


Triumphや最近復活したNortonを誇る英国ですが、マーケット自体は上記4カ国に比べれば大きくはありません。
ドイツ同様、スポーツバイク偏重のマーケットですが、復活のカギはスクーターの普及にあるのかもしれません。

イギリスの2011年1-6月のMC・SCの登録台数は45,736台で対前年比マイナス2.9%と微減に留めました。
スーパースポーツが-9.8%、ネイキッドが-5.5%と未だ減少傾向から抜け出せない中、スクータは22.9%の上昇と、復活しつつあります。

しかしながら、スクーター自体が9,325台と市場の4分の1にも満たない状況であり、マーケット全体へのインパクトはまだまだ大きくはないのが現状です。

とはいうものの、6月のスクーターのベストセラーはHondaのPCXであり、廉価で品質の良い日本メーカーのスクーターが評価され、それがスクーター市場の伸長に貢献しているとも取れます。このあたりを取っ掛かりに、各メーカーが市場活性化に取り組んでいけば、そう悪い状況ではないのかもしれません。

MICA:Industry Figures

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以上、ざっと5カ国を見た感想は、経済危機の発生から数年経ち、国ごとの状況に差が見られ始めたということです。
経済全体として好調・堅調と言われるドイツ、フランス、イギリスは出口の光が見え隠れしています。
対してイタリア、スペインは経済の立て直しの課題をこなせなければ、市場縮小の長期化が残念ながら予想されます。

MotoGP等のレース業界において、重要となるのはむしろ回復の遅れている、イタリア・スペインの2カ国です。
チームの解散、参戦の停止、サーキットの閉鎖などのリスクはさらに表面化してくるかもしれません。
そしてなによりも、バイクが売れないことによってモーターサイクル人口の減少が危惧されます。

日本の各メーカーは既にその販売・生産活動の軸足を欧米・日本等の先進国から、アジア等の新興国へと移しつつあります。
それに伴い、モーターサイクルの文化というものも新たな軸が打ち立てられていくのかもしれません。

今後も引き続き、市場の状況を中止しつつ、バイク関連の動向をフォローしていこうと思います。
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テーマ : バイク    ジャンル : 車・バイク


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